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二子渉

相手をそのまま愛するか、愛さないか、その二択しかない



猫と共に生きたかったら、猫を飼いなさい。

犬を猫に変えようとするのは無駄な努力です。

っていうテーマをめぐる話。


このテーマは実は奥深くて。


自分の中のゴミ(アーリートラウマ)を片付けなかったら、この先も、猫と出会ったつもりなのに、いつのまにか犬と暮らしているみたいな人生が続く。


その構造を理解してサポートできる人が求められている、というところまでお話ししました。


***


さて、この元ネタはドン・ミゲル・ルイスの名著「愛の選択」の第五章なんですが、そもそもこの章の主題は、相手をそのまま愛するか、愛さないか、その二択しかない、と語られています。


猫と共に生きたかったら、猫を飼いなさい。

そしてその猫を、猫のままに愛するしかない。

ということなんだけれど。


僕らのアーリートラウマが作用することで、猫だと思って出会った相手が、犬性を発揮し始める、ということが起こる。その様子はあたかも、出会った時は犬が猫の皮をかぶっていて、今はそれを脱いだようにすら見える。


じゃあこの人は、猫なのか犬なのか。


どうやってそれがわかるのか。


今また目の前に、こんどこそ本当の猫に見える人が現れたとして、その人に乗り換えたほうがいいのか。どうやって見極めるのか。


なかなか興味深いテーマじゃないですか。

どう思いますか。


***


一旦ちょっと脇道に逸れまして。


恋に落ちるってどういう現象なのか。

どういう意味があるのか。


恋に落ちた時って、キューピッドの矢に塗ってある毒か薬かなにかで、ハートが強制的に開きます。


そうすると何みても感動するし、自分の最良の部分を発揮できるようになるし、相手のこともすごく受け入れられるようになりますよね。


この薬の効力は程なく切れていくのだけれど、この恋愛初期の期間、僕らは魂と魂で出会う。


人間の魂=本体は、本来最高に善良で美しいものだと僕はどこかではっきり知っていて。


その善良で美しい本体同士で、一時的にだけれども出会うのが恋愛初期の期間。


僕らの「本体」は、そんなふうに善良で美しいものだけれど、ま、残念ながら本体以外に傷ついたパーツを山ほど抱えている。最初のドン・ミゲルのことばでいうと、ゴミをたくさん持っている。

なので、恋は盲目というのはちょっと違うと今では思っていて、恋はゴミの取り払われた世界を期間限定で見せてくれるということなんじゃないかな。


***


とすると、モノの見方はかなり変わってくると思います。


恋愛初期に垣間見た、相手の本体の善良さや美しさ、それ自体はほんものだった。

でも自分も相手も山ほどゴミを抱え込んでいるから、その性質は普段はほとんど発揮されない。

というのが本当のところじゃないかと。


だとするとですよ。


恋愛初期に垣間見た、あの相手のすばらしさを、相手の中に見続けることは、執着ではなく愛だと思う。

「あなたの本体は、あれほどまでに善良で美しいものだと、私は知っている」

そういうところに立ち続けるならば、それは愛でしかない。

そこに立ち続けて(相手への愛)、自分のゴミを片付けるなら(自分への愛)、二人はすこしずつ最初に見たようなものすごく素敵な二人としての姿をお互いの前に表すことができるようになる。


***


だから

あなたが恋に落ちた時に見た相手の本質を、愛する、と決めて選んだのなら、あとはその本質を彼の(彼女の)中に見据え続けつつ、自分の癒しと解放に取り組んでいけばいい。


もちろん恋に落ちた時点や、その手前で、いや、私はもっと他に魂の惹かれるものがあるのがわかる、と思って、その人を愛することを選ばなくてもいい。


それが、その人をそのまま愛するか、愛さないか、の二択しかないということ。本質的には。


あなたがパートナーの中に見ている、あなたが選んで愛したその人の本体は、なんだったでしょう。




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