Facebookで流れてきた記事で見たんだけれど、
「夫や妻の発言がストレスとなって頭痛や動悸を引き起こしたり、夫や妻が自宅の同じ空間にいるだけで体調を崩したり、うつのような症状が現れたりすることがあります。」
っていう話があって、循環器専門医の石蔵文信先生という方が
「夫源病(ふげんびょう)」
「妻源病(さいげんびょう)」
と名付けたそうな。
元の記事はぶっちゃけ読むに値しないのでシェアしないのですけれど。
実際そういう症状が起きている夫婦の話は僕も数知れず聞いてきました。
もしかしたらこれを読んでいるあなたや、あなたの知り合い・友人もそうかもしれない。
ここまで激烈な症状は出ていなくても、相手の言動でとてもストレスがかかっているという方となると、かなりの割合に上るかも知れません。
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夫源病、妻源病とでも言いたくなる状況は確かにあるし、本人にとってはそれはとても辛いことで、ぜひなんとかこころ休まってほしいと心底思います。
ただね、ネーミングのセンスが悪いよね。
真実を言うなら、夫が原因だったり、妻が原因なわけじゃない。
なので僕はこの表現は使いません(今回に限って話のきっかけとしてそのまま使います)。
夫でも妻でもどっちでも同じだけれど、たとえば「夫原病」があったとしたら、変わる必要があるのは夫じゃないですよ。
困っているのは妻だし、その困りごとをなんとかするのは妻。
その状況変化の鍵を持っているのは妻です。
その力が全ての人に本来備わっている。
そこに立てるかどうかが、結婚1.0と2.0の境目。
環境や関係性の被害者になるのではなく、自分の手で自分の人生を握れるようにする。
そういうふうに精神的に自立する。
そうなったとき、結婚1.0を卒業して、自分のために自分の力を使って生きる世界が始まります。
そのためのサポートは今や、日本の社会にたくさんあります。
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じゃあまず、そもそもなんでこんなことになっちゃってるのか。
たとえばですね、
「夫や妻の発言がストレスとなって頭痛や動悸を引き起こしたり、夫や妻が自宅の同じ空間にいるだけで体調を崩したり、うつのような症状が現れたりする。」
これ、もうどう見てもおおごとです。
パターンその1として「こんなに辛いのだ」と自分のことをそう見てあげられないようなトラウマ反応を抱えている人は、それなりにいます。
「いや、うちより大変な家はいっぱいあるから」みたいに言ったり。
はっきりしっかりお伝えしますが、これは、おおごと、です。
そう思っていいですよ。
パターンその2として、こんなふうにパートナーから言われるのは「自分が悪いからだ」「自分に落ち度がある」「相手の事情はよくわかるから仕方ない」など、今受けている暴力的な扱いにNoということを諦めちゃってる方。
このパターンもかなりあります。
パターンその3として、相手から責められるような発言を浴びると、その時点で固まってしまったり、真っ白になってしまったり、もうぜんぜん意識を保てなくなっちゃうみたいなパターンもあります。
そのあとはサンドバック状態に入っちゃう。
他にもあるんですけれど、これらは全部GFLでいうところの「アーリートラウマ(発達初期のトラウマ)」が関わっていて、それは深い無意識のところに形成されている反応様式です。
深い無意識が関わっているので、魔法のように1回でなんとかなるということは、ほとんどあり得ません。
でも、変えていくことができます。
変えていくというか、本来の自分の力を回復することが、実際には可能です。
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ここでもし環境や関係性の被害者になるのではなく、自分の手で自分の人生の舵取りする責任を引き受けるなら、なにができるか。
このくらい自律神経症状出ちゃってるし、相手と一緒にいることで神経が休まることがないなら、一つには物理的に距離を取るという選択肢もあります。
このくらいひどい状態なら、むしろ実家に身を寄せるとかなんらか、実際に接触を減らして神経を休める必要があるんじゃないかなと個人的には思いますし、その必要性について医師の意見や診断書をもらうことができたらそれもいいと思います。
それで、パートナーにそのことを説明だけはして(わかってくれてもくれなくても)、物理的に距離を取る。多少なりとも回復するまで。
そのプロセスは友人や別の家族など人の力を借りられたら最高です。
無意識の働きを変えていく作業とかはそのあとでいい。
このくらいできたら、自分で自分のために立ち上がっていますよね。
それだけでも大きな変化です。あっぱれです。ブラボー。
これはあくまで一例です。
たとえば注意点としては、これはあくまで体調を立て直すという目的で行うことです。
無計画に衝動的に家を出ていくとか、それを繰り返しちゃうとしたら、それは別のパターンにはまっている可能性が高いです。
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ここまで病的な症状が出てはいないけれど、相手の言葉がすごくストレスになっている、というケースとなるとかなりあります。
または上で書いた症状が出てて、距離を置いて回復した後の展開としても当てはまる話。
この場合は、物理的に距離を置いてもいいけれど、それ以上に必要なのが、この辛さについて話し合うということ。もし結婚3.0を目指したい気持ちがあったら、ここは外せません。
「いや、話してるし」って思った方もいると思います。
それでうまくいってるならそれでいいと思います。
でも話してもうまくいかない、または話せていない、ということであれば、ここにもアーリートラウマの影響が色濃く出ている可能性が高いです。
「あなたや『普通の人』の感じ方は知らん。私は私だ。私にとって、あなたからその言葉を向けられるのは、とんでもなく痛いしやめてほしい。」
それをどこまでこころ開いて伝えられるか、が重要な鍵の一つです。
自分のど真ん中に立って、まっすぐ伝える。
通じなくても噛み合わない返事が返ってきても、最低3回ははなしを戻して伝える。
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もしそれができないとしたら、あなたの中に傷ついて機能しなくなっている部分がある。
それは今まさに、癒しを必要として浮かび上がってきている傷です。
その傷は、夫(妻)との関係だけでなく、実は人生のあらゆる方向にうっすらと決定的に影響を及ぼし、自分の人生を限界づけているところでもあります。
こういうところを見つけて解消したなら、パートナーはびっくりするくらい変容します。
そしてパートナーだけでなく、人生全体も静かにパワフルに地殻変動を起こしていきます。
ここを毎度意図して取り組んでいくのが結婚3.0。
どうやって解消するのかは、ちょっと一言で終わらないのでまたの機会に。
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