パートナーに対して、僕らはよく、「もっとAであってくれたらいいのに、なんでいつもBなんだよ」っていう気持ちを持ちます。・・・よね?
僕は持ちますよ、はい。
人によってAは、
「もっと心の交流ができる人だったらいいのに」
「もっと愚痴ばっかりいってるんじゃなくて、ポジティブな話してくれたらいいのに」
「もっと子どもに対して穏やかに接してくれたらいいのに」
「もっと私の話を聞いてくれる人だったらいいのに」
などなどいくらでも例はあります。
「なのになんでBなんだよ!?」
ってなる。
こういうときどうされていますか?
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まず多くの人が同意してくれると思うのですが、人はコントロールできません。
Bになれ、って圧力かけても、関係が悪くなるだけです。
あなたが圧力かけられる側、コントロールされる側でもそうでしょ。
そしてそうである以上、合わないね、ってことで別れる選択肢もあります。
僕らが結婚2.0と呼んでるパートナーシップの築き方です。
でもそうじゃない道もあります。
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一つは、「なんでBなんだよ!?」っていう疑問を、直接探求してみること。
喧嘩腰にならずに済むよう、こっちが自分を整えてニュートラルでオープンな状態にならないと難しいですけれど、もしなれたら、好奇心を持って尋ねていくっていう道。
そしたら思わぬ発見があることもあります。
ある人のご主人は、彼女が夕食をテーブルに並べている段階で、「お、熱々のうちにいただきますね!」って食べちゃう。彼女はちょっとくらい冷めてもいいから、全部並べて、みんなでいただきますして食べたいのに、なんでだよ!?って思ってた。
それで彼女がいい状態だったある時、このトピックについて詳しく尋ねてみたそうで。
そしたらご主人が、仕事の下積み時代にとても忙しくて、せっかく温かい食べ物を用意してくれる環境だったけれど必ず冷たくなってから食べていて、それが悲しかったんだ、というような話をしてくれたらしいのね。
それを聞いて、ああ、それはわかるなあってなったわけ。
それ以来、前よりずっと寛大に思えるようになった。
結果的に彼女は、ご主人がBにならなくてもよくなった。
これが一つ目の道。
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もう一つは、「なんでBなんだよ!?」って思っている時に、自分の本当の本当の願いはなんなのか、自分の中を掘り下げてあげる道。
何が大切だからこんなにもこころ揺さぶられてしまうのか、ということを見つけ出して自己共感してあげる道です。
別のある人の話でね。
表面的には、私にもっと興味関心を向けてほしい(A)のに、なんで興味を持ってくれないんだろう(B)って思ってた。
なぜ興味を持ってもらっていないと思うのかを聞いていったら、その理由は彼が彼自身の気持ちを語ってくれないから、という理由だった。
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それでですね、かなりの割合の男性が、本人の気持ちを語る習慣って持っていないんですよ。そんな発想を持っていない。語らないのが当たり前すぎる当たり前。
でも彼女からしたら、自分に興味があるなら語って当たり前だと思ってたので、ここですれ違っていたのね。
彼女としては、自分に興味を持ってくれていないのが悲しいと思っていたけれど、より厳密には、彼の気持ちを聞くことでもっと繋がりを感じたい、それがないのが痛い、っていうことだった。
で、改めて彼女はその自分の願いを大切に持つことにしたわけ。
つまり、彼の気持ちを聞くことでもっと繋がりを感じたい、という願いを。
それを自分自身に与えてあげる、というところに立てた。
実際には、自分から彼の気持ちを尋ねるようにしていった。
でもいきなり「今どんな気持ち?」とか聞いても彼は答えられなくて、「ん〜・・・、ふつうかな・・・」とかなっちゃう。これも男性あるあるでね。
でも彼女はめげずにいろんな機会を捉えては、「今なんかニコニコしてるけれど、楽しいの?」「さっき私のためにしたはずのことが喜ばれなくてもやもやしてるのかな」とか、Yes/Noで答えられるような質問をしつづけたわけ。
そのうち彼も自分の気持ちに名前をつけられるようになっていって、「どんな気持ち?」と聞いても答えられるようになって行った。
これが2つ目の道。
彼女が、自分の望みを見つけて、その望みを叶える責任を自分で引き受けた。
これならこれで必ず現実が変わる。
彼だって彼女に喜んでほしいからね。
その彼の愛情を、彼女が満たされる形で引き出すことになっていった。
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今日は割とわかりやすい二つの例で話しましたけれど、どっちも自分でやろうと思ったらけっこう難しい。
でもやり方を学んで身につけたら、かなり一生モノのコミュニケーションになっていきます。
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