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二子渉

アーリートラウマと「転移」のおはなし

更新日:2022年8月27日

僕らは誰でも、けっこう似たような対人関係のパターンに悩まされます。


誰かに好きで関わっていったら、引かれてしまって、自分もそれ以上関われなくなる、とか。

大切な人を気遣って、よかれと思うことをせっせとやっていたら、相手からは気遣いの一つも返ってこなくて疲弊する、とか。

仲良くしていると思っていた人が、実は自分のことをよく思っていない、という話を人づてに聞いて、どうしたらいいかわからなくなる、とか。

この人は信頼できる、と思って委ねようと思った途端、梯子を外されるような出来事が起こる、とか。

自分のことをのびのび表現しようとした途端、無理解の壁にぶち当たる、とか。


いろんなパターンがあります。


たとえば僕は、相手を精一杯尊重していたら、自分でも気づかぬうちに自分が犠牲になってしまっていて、報われない感覚になる、みたいなパターンがよく現れます。

皆さんはどんなパターンに思い当たりますか。  

***

  こうしたパターンというのは、僕らがまだごく小さかったころ、せいぜい6歳くらいまでの間に作られていることが多い。

大人の僕らはストレス状況に対して、さまざまな対応の仕方を身につけていますが、6歳くらいまではごく限られた対応の仕方しかない。

0歳児なんて、泣くか、感覚を遮断するか、望みを諦める、くらいしか対応のしようがないわけです。ことばで説得するとか、力づくで奪う、とかいう対応はできない(笑)。

一例として0歳の時に、泣いても何してもおっぱいがもらえないとか、抱っこしてもらえない、というようなことがたまたま重なると、「自分が泣くほど訴えても、欲しいものは得られない。訴えたら『訴えても聞き届けられない』痛みが増すだけ。」というふうに発達初期の脳みそ(神経系)が学習してしまったりする。望みを諦める、という対応策を駆使するようになる。

こういう人は、欲しいものを欲しいという力が育たない。

すると大人になった時にたとえば、いくら我慢してもいくら犠牲を払っても、結局自分は大事にされない(ニーズが満たされない)んだと感じる、みたいなパターンを維持することになります。   パターンは、「幼少時に限られた対応策を優先的に用いた痕跡」です。



***  

この例では、ニーズを満たすためのアクション、つまり、欲しいものを欲しいという、という直接的なアクションを、過去の痛みの経験から封印しちゃってるわけです。

いくら泣いても与えられなかった、どれだけ訴えても聞いてもらえなかった、という痛みがあまりに強かったため、もうその痛みに出会いたくない。

欲しいと訴えたら、その痛みに出会うリスクをとらなくてはいけない。でもそんなの無理すぎる。みたいになってる。


パターンは、「幼少時に感じた痛みを回避するために作られている」。  

***  

幼少時に感じた痛みに対して、僕らはセンサーを鋭敏に研ぎ澄ませてきたので、危険そうだと察知すると、速やかにこの回避のシステムを発動させます。

例えば相手に「こうしてほしいな」という望みを持った途端、なんならそれが意識されるより前に体で兆候を感じた時点で、「それを欲しいというのは危ない、避けよう」というふうにオートマティックにスイッチが入るわけ。   パターンは、「痛みが生じそうな兆候を微細に捉えられるアンテナによって作動する。」  

***

  オートマティックに瞬時に作動しているし、そうやって長い間生きてきたので、自分が回避のパターンを発動していることに気づくのはけっこう難しいです。


でもこれこそが、繰り返し自分の人生を行き詰まらせているものでもある。   とりわけパートナーとの関係で顕著に現れ、その関係性をより深めたり豊かにすることができない元凶になります。  

パターンによって、様々ないわゆる「ネガティブな」感情が生じます。そこに変なパターンが発動しているよ、と感情が教えてくれるわけです。


葛藤・衝突、怒りや恨み、疲弊や犠牲感、いたたまれなさ、恐怖、自己嫌悪、嫉妬、などなど、その時のパターンによって違うけど、こうした感情を味わう時は、相手が変わるべき場面ではなくて、自分のパターンに気づかせてくれている場面です。   相手はパターンを浮上させるために役割を果たしてくれているだけです。このパターンに他の人をキャスティングして登場させている状態を「転移」といいます。自分の持つ幼少期のパターン、基本は親との間で作られたパターンを、目の前の人に投影し、「転移」させている。


パターンは、「ネガティブな感情によって、そのありかを教えられる。」  

***

  こうした感情が生じる前後の出来事(客観的な出来事や、自分の内側の出来事)をスロー再生で見ていくことで、理解が深まります。


そして、パターンによって感じることを回避していたほんとうの痛みをみつけていくことが重要です。


その痛みは、小さな子どもにとっては耐え難いものでしたが、いまの大人になったあなたにとっては、十分抱えて感じ切れるものです。

悲しみのような感情の場合もあれば、体に力が入らなくなる、といった身体感覚レベルの不快感の場合もあります。


そして大事なのは、この根源的な痛みは、感じ切ったら流れてなくなるということ。真実の痛みは、感じたら、うつろう。

(ちなみにこの痛みを回避するためにパターンによって二次的に生じているネガティブな感情は、感じ切るということでなくなったりしなくて、何度でも出てくる)   パターンは、「根源的な痛みを見つけ出し、感じ切ることで解消していく」

 

以上、転移とアーリートラウマの扱いについてでした。




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