わりとちょくちょく聞かれる質問です。
いくつかのパターンがあるのですけれど、今日はそのうちの一つをご紹介します。 どのようにして、この現実が創造されているか。
まず彼(または彼女)が不機嫌になったとわかるのは、あなたが何を見たり聞いたりしたからでしょう。
「僕は今不機嫌だ」って言っているのを聞いたからですか? 話す言葉の内容?声のトーンの変化?眉間にできるシワ? 出来るだけ五感で捉えられるものを見つけてみてください。 雰囲気とか空気感とかじゃなくて。
ここで、表面的にはわかりにくいもうちょっと微細な変化、例えば声のトーンや話をしている時の間の取り方で察知していたら、相手側でなく、こちら側の感度の良さがパターンを作っている可能性があります。
もしそうじゃなくて、この時点ですでにはっきりと罵倒してきている場合は自立と境界線のテーマがあります。アーリートラウマでは「長いものに巻かれる防衛」というパターンが関わっています。でもこれはまた別の機会に。
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Kさん(仮)はこのパターンを持っていて、相手が急に不機嫌になったと感じると、ショックで何も言えなくなってしまいます。
ちなみに僕自身も前の結婚生活の時にはそういうことがしばしばありました。
ショックで真っ白になってしまって、なにもできない。何も言えない。
これはアーリートラウマの反応です。自分を凍らせること、というのは、発達のごく初期の脳にでもできる、ほとんど唯一の防衛行動です。胎児期とか0歳とか。
今でもその時のサバイバル機構が残っていて、自動でオンになるスイッチが残っているわけなのです。「自分をいないことにする防衛」とGFLでは呼んでいます。
このスイッチが入るのは客観的にみたらごく些細なことだったりします。
Kさんの場合、例えば普段から夕食を一緒に食べたがる彼が「昨日の晩ご飯は君は一人だけで食べたの!?」と、ちょっと強めの語気で言った、とかそういうくらいのことだったりします。
もし先ほどのアーリートラウマがなければ、これに対する受け答えとしてはたとえば「そうだよ。それがどうかしたかな?」と、ただニュートラルに質問を返したりできます。
でも傷が深いとこれだけで「え、なんかまずかったかな」「なんでこの人はいきなり感情をぶつけてくるんだ」なんて感じたりしつつ、何も言えなくて固まっている、みたいな状態になります。
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ここでKさんが固まっていると何が起こるか。
パートナーとはそれぞれの傷が噛み合うようにできているので、こんどは相手の傷が刺激されるということがよくあります。それで向こうは向こうで投影が始まり、傷ついたストーリーにはまっていく。
たとえば、 「(なんで答えてくれないんだ?なんかやましいことがあるのか?)」と不安になったり、 「(なんで反抗的な表情で黙ってるんだ!?喧嘩売ってんのか!?)」と苛立ち始めたり、 まあいろいろですが、とにかくそれでますます反応的なところから関わりはじめる。
そうするとこちらはますます真っ白になって固まって何も言えなくなり、それをみて相手は「やっぱりそうだったのか!!」とますます感情的になる。
そういう悪循環が起こるわけです。
こうして「パートナーが急に不機嫌になって、収拾がつかなくなる」という現実がじょうずに(苦笑)創造されます。
これがパートナーとの間で、現実を創造する仕組みです。
幻想に基づいて現実を創造する仕組み。
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この辺りの仕組みの理解がないと、この人とはパートナーではいられない、ということになって、別れて別の人と出会って、同じようなパターンに出会うことになるわけなのです。
でもこの辺りを読み解けるようになっていくと全然違います。
自分で読み解けなかったとしても、これは自分の側にも現実創造に関わるなにかがあるはずだぞ、と見られるようになるだけで全然違うし、そういうものの見方をパートナーと共有していたら、幻想から覚めて真実のその人と出会い直すことがお互い容易になります。
そして読み解き方はいまや、学べる。癒し方も。
こういうところが、真実を分かち合うパートナーシップのとても面白くて豊かなところなのです。
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