大切な人がいても、一緒に暮らすととなると必ず「もう無理ー!」ってなる人がいます。
そういう方はかなりの確率で、HSPに当てはまります。
HSPとは(Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、生まれつき、人一倍繊細な気質をもっている人、みたいに一般には言われています。
DSMとかに出てくる精神医学の正式な診断名ではないので、素人が話題にしてもいいだろうなと思って書いてみるんですけれど。
これ、アーリートラウマについてわかってくると、この一見生まれながらの気質のように思える性質のほとんどが、初期のトラウマ反応だっていうことがわかってきます。
たとえば、発達の一番初期に形成される「自分を居ないことにする防衛」というパターンでは、大きな音、強い感情などに出会うだけで、全身にアラームが鳴るような感覚になり、とてもいたたまれなくなります。それで大抵は、その場から一刻も早く逃げ出したくなります。
その次の、やはり典型的には乳児期に形成される「ケアを引き出す防衛」というパターンでは、最も身近な人(もともとは母親)の心身のコンディションが悪いと、それだけでとても落ち着かない状態になります。それで大抵は何らか相手を楽にさせようとして(実際にはバグった)行動を取り始めます。
これらの性質は、生まれ持ったもののように本人は感じます。
人間って、そういうもんでしょ、と疑ったこともなく信じていることも多いです。
アーリートラウマというのは、そのくらい無意識の深いところにあるものなのです。
これらはなにせ自他の区別がつく前にできているし、ことばで世界を捉える前にできてますから。
人間ってそういうものでしょ、宇宙の仕組みってそういうものでしょ、くらいに物心ついた時にはもう思い込んでる。
でも実際には、それは真実ではない。
トラウマ反応が癒えていったならば、HSPの人達が抱えている生きづらさは大幅に改善されます。
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HSPって日本でよく使われるようになる前は、エンパスっていう言い方もありました。
10年以上前じゃないかな、僕はたびたびエンパスの人々向けに「敏感すぎるアンテナをオフにする」っていうワークショップを開催していました。
僕自身ももともとかなり強烈なHSPでした。
今でも影響はゼロにはなっていませんが、昔とは全く比べ物にならないレベルになっています。
当時は今ほど自律神経(とかポリヴェーガル理論とか)についての理解がなかったんですが、それでもけっこう効果出ていたんですよね。
その後アーリートラウマと、神経レベルに残るトラウマ反応の扱い方がわかってきて、今ではGFLを身につけていく中で、HSP的な性質を変化させることが、より確実にできるようになっています。
そして自分でそれを体験して、仕組みが分かったならば、パートナーとか子どもとか身近な人の性質を助けることもできるようになります。
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話を一番最初に戻して、特定の人と同じ空間に居続けるのは無理〜!ってなる人、でも好きな人と繋がって生きたいとは願っている人は、その夢、叶えられますよっていうことです。
すぐにぜーんぜんへいき!ってなるのは難しいけれど、しっかり取り組んだら半年かそこらで、ずいぶん楽にいられるようになる。そのくらいはいけます。
どうか絶望の淵から、また希望を取り戻せますように。
そして愛ある道へと復帰できますように。
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