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二子渉

気持ちを語らず繋がる、男性性の話3

更新日:1月15日

つながりの築き方、あらわれ方がこんなにも違うことで、よく起こるすれ違いについて。


男性性に基づくつながりはこれまで書いてきたように、「愛の物質化」に対する行動の本気度と、それに対するお互いへの敬意がメインです。


で、これがまた男性性特有なのですが、愛の物質化に関して「競い合っている」側面があります。


この性質が健全に発揮されている時は、愛の物質化に関して、より純度高く大きな達成をしているほど、「すげぇ!」のです。尊敬を集める。


あいつあんなに成果出したのか!くっそ〜〜!俺ももっとやってやる!って発想になります。


なぜならば男性性というものは、そんなふうにより純度高くより大きく、愛を物質化したいから。


これは本質だけズバッというと、「もっと命かけて愛したい」から。


不健全になってくると、成果主義で結果出していない人間には価値がない、みたいになっていったり、ライバルの足を引っ張ったりしていくわけなんだけれど。


***


少年漫画見たらわかるように、仲間同士であっても常に競い合ってるところがあるはずです。


それは、より純度高くより大きく愛を物質化したい、今よりさらにそうできる自分になりたいという願いに基づいているのです。そういうふうに常に成長していたい!


他のやつにできているのに、自分にできないのはくやしい!俺だってもっと愛したい!!っていうこと。


なので健全に男性性が発揮されている時には、「今のままのあなたで十分価値があるんですよ」とか言われようものなら、その愛に基づく成長への願いに水を刺されている感じになります。


「ありのままのあなたで、何も変わらなくてもいいんですよ」と言われて響く男性はごく限られています(ごく限られた場面です)。


漫画だとわかりやすいけど、お互いけっこう挑発し合うわけ。


表面上は、お前はダメだ、俺の方がすごい、みたいな表現なんだけれど、深い意味としては「お前の愛はそんなもんじゃねえだろ!?自分を過小評価して満足してるんじゃねええええ!」という意味。


***


さて男性性に基づくつながりがある時に、特徴的な点の一つが、「マイナスがあったらカバーしあって、順次帳消しになっていく」というシステム。


同じサッカーチームにいたとして、A君のミスでボールを奪われてピンチになった!みたいな場面で、B君がすかさずカバーしてことなきを得た、みたいなことがあるとする。


同じ仕事のチームにいて、Cさんがいい話をみつけてきたけれど、そのあとDさんの交渉が上手くなくて、別の会社に重要な案件を取られちゃったとする。


よくあることですよね。


こういうときに、女性性に基づくつながりだったら気持ちを色々聞き合ったりするわけなんですが、男性性に基づくつながりだったらそんなことはまずやらなくて。


A君やDさんは別の機会に本気を見せることにがんばる。


B君やCさんは、それを見て「お〜〜、やるじゃないか!」と敬意を取り戻す。


これでつながりは、プラマイゼロのいい状態に落ち着く。


マイナスは帳消しになる。こうしてお互いを許し合って支え合って生きている。


逆にもしA君が、その後ふて腐り続けたり、言い訳ばかりして本気を見せなかったら、A君とB君のつながりは壊れていく。B君はもはやA君への敬意は持てなくなる。


***


これは、男性性の中の成長への意欲が前提になってるシステムともいえます。


誰もが、純度よく大きく愛を物質化できる自分でありたい、と願って生きているという前提。


B君がA君のミスをカバーした時に、B君はそのことで満足感も生じます。おれ、やれてるじゃん、いけてるじゃん、って思える。この点も仲間をフォローするための動機として、助けになってるわけ。


A君はA君で、くっそー!こんどこそ俺も〜〜!ってなるから、より本気をだすことになる。


なので、表面的にはA君とB君の貸し借りのようでもあり、でもより根本には、お互いより愛の物質化できる自分を目指している仲間としての、敬意と尊重が働いているということなのです。


こうしてお互い敬意を払いながら、高みを目指して切磋琢磨している。


その中で色々実際面でカバーし合うとしても、そんなことは当たり前。


***


これが女性性に基づくつながりを求めている人との間で展開すると、がぜんおかしくなるのがわかりますよね。


女性性に基づくつながりでは、あの時に感じた嫌な気持ちは、関係ない別のことで帳消しになったりしない。それはそれとして、ちゃんと光を当てられる必要がある。


それなのにお花買ってきたり家事を少し余分にやるなど、別のことで埋め合わせようとされると、なんか誤魔化されているような、大切にされていないような気持ちになったりするわけ。


それはこういう行き違いによるものなのです。


相手は、愛の物質化で本気を見せれば尊敬が返ってきて、それでつながりの感覚が回復する、とあたりまえに思っちゃってる。


あるいは女性性に基づくつながり前提だと、何かミスなり失敗なりしたとして、その背景やそこでの気持ちを分かち合って聞き合うことは、むしろそれこそが最も重要なこと。


だけれど男性性に基づくつながり前提だと、「いいわけばっかりしやがって」と捉えてしまう。


こういう行き違いなのです。



いかがでしたでしょうか。


ここまで一通りふまえることができたら、かなりの誤解が解消するはず。


何度でも誤解しては、誤解だったねって確認することにはなるけれど、この図式がわかっていたらその作業はだいぶ楽になる。


ぜひ参考にしてみてください。


*******


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