「(経済的に)自立していないと自分の意見を言えないじゃないですか」っていうようなセリフをよく聞くわけです。パートナーシップの相談に乗っていると。
あるいは、「結婚して例えば子どもを迎える時に自分が仕事を休むか辞めるかすると、対等じゃなくなるじゃないですか、そしたら自由がなくなりますよね」とか。「だから私は結婚はしたくないんです。」
あるいはパートナーとの関係じゃなくて、親から経済的に援助されている状況について、「私は自立できていない人間なんで」と自己否定気味に表現されるのを聞くこともあります。
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一見、自立を目指してがんばる必要がありそうな気になってしまう場面たち。
でもパートナーシップについての学びを深めていくと、そうじゃないということがわかってきます。
ここで一つ明確に区別される必要があるのが、「経済的な自立」と「精神的な自立」。
例えば上の3つ目に書いた親からの自立の話を例にとると、いい年になっても実家にいて、そこで経済含めた生活上の世話を親がしてくれて当然と思っていたり、よくないと思いつつ何も言わずに先延ばしにしていたら、これは完全に依存。経済的にも精神的にも自立していない状態と言えます。
でももし、何か事情があって親元に身を寄せるにあたって、「お父さん、お母さん、すみません。本来は自力で生活していくのが筋だと思いますが、今どうしてもこれこれの事情で困っているんです。しばらく置いてはもらえませんか。」「しばらく資金援助してもらえませんか。」って言えていたら、これは大人の意識で状況に対処していることになるし、この時精神的には自立しているわけなのです。自立した大人が、経済的な援助を受けている。
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経済はわかりやすいけれど、パートナーとの間ではそれ以外にもいろんな要素が絡んできます。
どこまでが不健全な依存なのか、どこからが自立なのか、そしてどこからが過剰な自己完結なのか。
こうしたことに目を向け整理してみるセミナーです。
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