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二子渉

結婚の制度疲労と痛み - 結婚3.0へ

僕は今でこそパートナーシップに大きなパッションを持っていますが、もともと、結婚にまったく魅力を感じていませんでした。

むしろ就職と結婚は人生の墓場だ、くらいに思ってた。

僕が見る限り、自分を押し殺すことなく犠牲にすることなく本当に自分らしくいて、なおかつ素晴らしい結婚生活をしている人はいないように思えていました。

人生には3つのパターンがあるように見えていました。

一つは、自分が何に命を燃やし、捧げたいのかわかっていないまま、なんとなくいいとされている価値観に合わせて生きている。

一つは、結婚関係を維持するために自分を犠牲にしていたり、自分の望む人生を諦め、押さえ込んでいたりする。

一つは、自分の人生を燃焼させてはいるけれど、結婚生活やパートナーシップは人生の重要な部分を占めていない。

まじってたりもするけれど、このどれか。

それは、子供の僕の目には明らかだったのでした。

自分を押し殺すことなく犠牲にすることなく本当に自分らしくいて、なおかつ素晴らしい結婚生活をしている、という人はいなかった。


***


そして僕自身は、世界のために働きたいという情熱は小さい時からあったから、そういうふうに命を使おうと思っていました。なので結果的にパートナーシップに求めることは、その生き方を邪魔しないということ。お互い邪魔しないようにしようねって。結婚して、世間で言われているような責任を持たされたら、重くて仕事にならんって思ってました。(あはは。今は違いますよ。)

なのでもともと、現在の結婚制度というか、その運用というかにはとっても否定的なのでした。

結婚に伴って生じる、義務とか責任とかは人を幸せにしていない。

歴史の中で人々が自分を犠牲にしてきた、その苦しみを再生産して、下手したら復讐しているくらいな感じに見えちゃうんですよね。「私はもっとひどい結婚生活を我慢してきた。あんたたちもそうしなさい。」って。

我慢しさえすれば配偶者を(つまり愛情や経済やセックスを)独占できる、みたいな、そういうエネルギーに汚染された制度だなあと、子供ながらに思っていました。子供といってもこう思ったのは中学高校くらいだけど。


***


僕が若い頃はまだほぼ完璧にこんな感じが「常識」だったけど、この20年くらいで随分変わってきましたよね。

結婚制度の矛盾というか無理というか、そういうものを敏感に感じている人がすごく増えた。

今の結婚の枠内でも、これをどうにかしたいと感じて取り組んでいる人がたくさんいる。

そして、離婚もだいぶ普通のことになってきたし、婚外恋愛もものすごく多いし、多数愛(ポリアモリ)などの取り組みも出てきた。

ようするに従来的な結婚の形を絶対視せず、ほんとうに幸せなパートナーシップについての試行錯誤が、切実に必要になってきたし時代としてもそのための準備が整ってきた。

うまくいっていない結婚生活の修復も、離婚も婚外恋愛も別の形の模索も、たいへんなわけですよ。たくさん痛みがある。

でもその痛みよりも、その先にある可能性を直感していて、それを失っている痛みの方が大きくなっている、ということなんじゃないかなと僕には感じられます。

そんなわけで、この痛みをどうにかしてもっと大きな愛の体験へのみちしるべにしていきたいなあと願うのです。


そう思いませんか?


***


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