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二子渉

自分劇場に閉じ込められる仕組み

更新日:2022年8月27日

僕らは誰でも、胸の痛みを感じないようにするためのメカニズムを、小さいときに発達させてサバイバルしてきてる。

その当時はそうやって生き延びたわけなんだけれど、大人になってもその自動処理のメカニズムは脳内に生き残ってる。

そうすると、表面的なネガティブな感情のほとんどは、本来の痛みではなくて、それを回避するメカニズムが働いたあとのもの、「処理済み」のものになってる。

例えば、本来は大好きな人と一緒にいられないのが寂しい、という痛みがあるところで、そのメカニズムが働いたあとだと、「なんで会ってくれないんだ!会う時間くらい作れよ!」って怒りになってたりする。


これはなんというか、ほんものの自分でいられていないので、本来の現実創造の力が使えない状態になってるの。

で、この処理後の感情や、それに紐づいた行動が採用されていると、現実は望む方向には変容しない。転移・投影の劇場の中で物を見て、その中で演じ続けることになる。


***


もしこの状態で心得のない人(ってほとんどの人だけど)に聞いてもらったりすると、むしろ今ある転移の劇場のパターンを強化しかねないリスクがある。


たとえば「あの人は私のことを無視した。私は傷ついた。絶対私のこと嫌いなんだ。」って思っているときに、

「そうだよね、あの人ひどいよ。そういう人とはもう関わらなくていいんじゃない?」ってだけ言われて、そうだそうだと思っちゃったら、


まずまちがいなく同じパターンが今後も続く。


かといって「そこで傷つく必要ないでしょ、あなたの思い違いかもしれないよ」って言われても、元の痛みが大きいときには「なんでわかってくれないんだ!!」みたいになっちゃう。

転移の劇場の中での見方にハマっちゃっているので、そうじゃない話にフラットに耳を傾けられないわけ。


自分劇場に同意する声にしか耳を貸せなくなる。

これが、転移と投影の劇場に閉じ込められる仕組みなの。

そこから抜け出すには、ほんとうの痛みを見つけるしかない。


(つづく、、たぶん)



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